前回まで
EVを使い始めたところ、
往路と復路の電費に差があり、
それは主に標高差の影響であることを理解しました。
でも、まだグラフのバラツキは大きく、
その他の影響因子がありそうです。
気温の影響
後からでもプロット出来る情報として、
走行時の気温があります。
リーフのサーバーから走行時の気温はダウンロード出来ませんが、
いつ、どこを走ったのかはわかりますので、
気象庁のデータベースから、その時の気温はプロットできます。
前回作成した標高差vs垂直方向電力消費量の回帰式から
気温vs電費バラツキで整理してみたのが下図1です。
横軸が気温、縦軸は標高モデルからのバラツキ量で、
縦軸が大きくなるほど電費が悪化してることを示しています。
赤線は二次の回帰式で
EVは気温20℃の時が最も電費が良く、
暑い日や寒い日は、電費が悪くなることを示しています。
どのメカニズムが効いてくるか?
さて、これはどのメカニズムで効いているのでしょうか?
メカニズム1
暑かったり、寒かったりすると、
ドライバーはエアコンやヒーターを入れるので、
その分、電費が悪くなる。
リーフの場合、
気温20℃でのエアコン使用による走行に対して、
気温0℃や40℃でのエアコン使用による走行では、
約1割電費が悪化します。
(電池の充電消費10%が充電消費11%になるとの意味)
気温の電費への影響オーダーも合っていそう。
メカニズム2
リチウムイオン電池の好ましい作動温度は、
人間と同じで15℃〜25℃程度と言われており、
気温が、暑かったり、寒かったりすれば、
電池が自然空冷のリーフでは
電池の温度も影響を受けることになります。
ただ、こちらのメカニズムでは、
ある程度までは温度が高いほど効率が上がる筈なので、
(電池の寿命は下がるが)
影響はありそうだが、上図のような凹カーブにはならない。
また、電池の温度は、
急速充電直後や高速、登坂など高負荷運転でも上昇するため、
ここまで、気温だけに影響を受けるような特性には整理できないだろう。
気温で標高モデルを修正した場合の消費電力との比較を
図2に示します。
決定係数は、 0.995 となり、
気温補正の無い標高差モデルから更に精度が上がりました。
以上から、EVの電費に影響を与えるのは、
- 走行速度
- エアコン・ヒーターでの温度調整幅
- 出発点と目的地の標高差
が三大因子と言えそうです。
(エアコンって電費に効きますね)
次回予告
初夏から秋にかけての経路充電利用でのEVの感想を紹介します。
では、今日はここまで!