V2H後の電力単価をどう把握するか? 2022年10月

前回まで
V2H利用開始前の電気料金、
V2H利用にあたっての投資額、
などを整理して、V2Hのメリット算出のための
スタートラインを確認しました。

電池とEVが繋がると日々の単価計算がややこしく・・・
さて、太陽光+V2Hの利用で、
日々の生活パターンをどうすれば、
日々の電力単価が安価になるかを把握したいです。

そこで、日々の電力単価の算出方法について考えてみました。
(ここでは、燃料調整単価や再エネ賦課金の影響は除いています)

ケース1(無印)
まず、ベースとして、
太陽光も蓄電池も使わない場合には、

電力単価=買電料金/買電電力量 (式1)

ここは、シンプルですね。
日々集計でも、月次集計でも考え方は一緒です。

ケース2(太陽光あり)
ここに太陽光が追加されますと、
買電電力量が減り、また、電力会社に売電出来るので、
実質的な負担金額vs消費電力ベースの電力単価は、

電力単価=(買電料金―売電料金)/消費電力量 (式2-1)

ここで、
消費電力量=買電電力量+太陽光発電量―太陽光余剰電力量 (式2-2)

となります。

以上の2つのケースでは、
電力を買った・売った瞬間に、その電力は消費されますので、
日々の売電単価の計算も、日々の消費量、料金で計算すればよく
まだまだ、シンプルです。

ケース3(太陽光+蓄電池)
ここに、据え置きの蓄電池加わるとどうなるでしょうか?

日々での計算をややこしくするのは、
蓄電池があると、今日買った電力は、明日以降でも使うこともできる点です。

ただ、充電は貯めているだけで消費ではないので、
日々の電力消費ベースで考えると、

電力単価=(買電料金―売電料金)/消費電力量 (式3)

と一つ目の式までは、ケース2と同じと言えます。

ただし、
分子の買電料金には蓄電池に貯めた電力分が含まれるとともに、
分母の消費電力にも、

 ・買電電力をそのまま使った
 ・太陽光電力をそのまま使った
 ・蓄電池に貯めてあった電力から使った

など、複数の電力ソースがあるため、
式(2-2)のように個々の値から算出することが困難なので、
パワコンの出口(=家の入口)の電力量計の値を使うこととします。

図1 家庭内消費電力の計測位置

ケース4(太陽光+EV)
更にややこしくなってくるのは、EVがV2Hで自宅と接続された場合です。

まず、EVは経路充電でも電気を買って来られますので、
電力単価の式は、

電力単価=(買電料金―売電料金+EV経路充電料金)
      /(家での消費電力量+EV消費電力量) (式4)

となります。

ただ、日々の電力単価の計算をしたい場合に、
家での電力と違ってEVは毎日使うわけではなく、
また、外部の充電ステーションで買った電気は、
走行にも使いますし、V2Hで家庭の消費電力にも回せます。

しかも、充電ステーションで買った電力を
当然、その日に全て家や走行で消費するとは限りません。

更に、経路充電の料金は、
現状は充電量ではなく、
充電時間による月額請求となっており、
月締めでなら上式(4)での単価を計算することは出来ますが、
メッシュを細かく日々の単価を把握するのは困難です。

そこで、当ブログでは、

電力単価=(買電料金―売電料金+EV経路充電料金)
      /(家での消費電力量+EV消費電力量)  (式5)

家での電力消費量 パワコン出口の電力量計で把握(上図1)
EV消費電力量   Nissan Connectの消費電力で把握
EV経路充電料金  月払なので日毎単価計算の場合はその日の経路充電量の月比率に応じて按分

として、V2H導入後の月毎や日々の
電力単価の推移を分析していきます。

次回予告
導入後1ヶ月の運用実績をご紹介していきます。

では、今日はここまで!

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