前回まで
12月の充放電効率は、
深夜電力→朝晩利用でも
損をしない性能が出ていることがわかりました。
今日は、そんな中でも冬ならではの
困っていることについて紹介します。
(いえ、「拒否柴様」は寧ろご褒美ですw)
朝に満充電になっていない
冬で寒くなってから、
据置蓄電池の充電が、
朝までに終わっていないことが良く起こるようになりました。
我が家の日々の自宅電力やEVの使い方ですと、
冬は朝には両方の電池ともに100%になっていないと、
夕方~夜に系統からの買電が発生してしまいます(下表参考)。
トライブリッドT3では
深夜電力での充電の順番は、
EV電池、据置蓄電池の順に固定されており、
どちらか、または両方の充電時間が寒さ等の理由で長くなったことで、
順番が後の据置充電池が朝までに満充電にならないようです。
そこで、元々のトライブリッドT3の仕様上、
深夜に両電池を充電しきれるのかを今一度確認してみます。
トライブリッドT3の仕様と実績について
充電能力
仕様(充電電力)
EV Max 6kW
据置 Max 3kW
冬実績(1時間での充電電力量)
EV Max 5.5kWh
据置 Max 3.0kWh
放電能力(参考)
仕様(放電電力)
EV Max 5.9kW
据置 Max 3kW
冬実績(1時間での放電電力量)
EV Max 5.0kWh
据置 Max 2.7kWh
こう見る限り、
仕様に近い充電性能は出ているように見えます。
放電の方は、需要次第ですし。
一晩で充電しきれるか?
トライブリッドT3は、
放電は蓄電池とEVで同時に可能ですが(合計出力で 5.9kWまで)
充電は1度にどちらか1方の電池のみにしか出来ません。
我が家契約の深夜電力の時間帯は23時~翌7時までの8時間。
この時間内に両方の電池を満充電にすることが可能かを見てみると、
据置蓄電池
容量 7.4kWh(充電効率を考慮した満充電に必要な電力量)
充電速度 3.0kWh(1時間当たり実績最高値)
∴ 必要充電時間 = 2.5時間
EV電池
容量 28kWh(SOC 15→98%の充電に必要な電力量)
充電速度 5.5kWh(1時間当たり実績最高値)
∴ 必要充電時間 = 5時間
で、合計必要時間が7.5時間となり、
この見積もりからは深夜電力時間帯の8時間以内に
両方の電池の充電が完了出来そうではあります。
しかし、充電池ってのは、
最高速で充電→満充電で急停止が出来ません。
また、電池温度が低すぎる場合、
充電速度が上げられない場合もあり得ます。
そこで、実際の運転状況を確認してみました。
下図は、HEMSデータによる
この冬の深夜時間帯でのトライブリッドT3の運転状況例です。
EV電池25→98%に5時間、
据置蓄電池0→100%に3時間、
で、この冬に何とか両電池とも朝までに満充電になっている例です。
(この日は、深夜電力時間帯は、ほぼ外気温が氷点下でした)
運転形態を詳しく見てみると、
まず、EV電池の充電速度(オレンジ折れ線)ですが、
元々50kW級の急速充電にも耐えられる設計のためか、
スタートの23時から
いきなり仕様最高速に近い充電(5.5kW)が始まっています。
トライブリッドT3仕様上の
最高充電速度(6kW)までは
まだ1割程余裕がありそうですが、
これが、外気温の影響なのかは、
まだ外気温に対するデータが少なく判断が付きかねます。
ただ、気温が氷点下時の
充電ステーションでのリーフへの急速充電では
充電速度が6kW(17A)程度は余裕で出ていましたので
外気温が-5℃程度でのEV充電速度の制限は
トライブリッドT3では行わないのでは無いかと予想しています。
一方、ちょうど、同じ深夜電力時間帯に、
各部屋の暖房運転に加えて、
エコキュート先生wがお湯沸かし運転を行っており、
系統からの買電電力(黄色折れ線)が
我が家の契約電力の上限(10kVA)に近くなって、
これ以上、EV充電の速度を上げないよう
出力調整が入っているのかも知れません。
我が家にはスマート分電盤がありませんが、
トライブリットの分電盤が契約電力の上限値を覚えており、
EVや蓄電池の充電速度を調整して
家全体の買電電力を抑えてくれる機能があります。
一方で、エコキュート本体や
エコキュートが接続している側の古い分電盤には、
家全体の消費電力を見ながら出力調整してくれる機能はなく、
深夜時間帯は、エコキュート先生の我が儘し放題w状態です。
試しにエコキュートのお湯沸かし運転を停止させて見ると、
EVへの充電速度が5.5kW→5.8kWまで上昇しましたので(写真1)、
やはり、この買電電力の制限は充電速度の低下に効いていそうです。
また、上の1時間毎平均の図では見えませんが、
EV電池が満充電に近づくと、
リチウムイオン電池が溢れて爆発wしないよう、
充電ステーションの50kW級の急速充電よりはかなり遅い
出力6kW前後の我が家のV2H充電の場合でも、
充電速度を徐々に落としていることが確認できました。
一方、据置蓄電池(青折れ線)も、
充電開始からほぼ仕様上の最高速まで加速し、
(仕様上は、-10℃~40℃で運転可能となっています)
満充電が迫る手前、残りSOCが5%を切る辺りから、
徐々に速度を落とすような運転形態をとっています。
特に、最後の1%がまさに「ロングテール」で、
ここだけで15分以上の時間を掛けていました。
以上から、
我が家の据置蓄電池が
冬の朝に満充電にならない理由は、
- リチウムイオン蓄電池は安全のため、
満充電手前では充電速度を落とす必要があるため(両電池で確認) - 特に冬は寒くてエコキュートや暖房の消費電力が増えて
契約電力を超過してブレーカーが飛ばないように
トライブリッドT3がEVの充電速度を抑えているため(EV電池で確認) - 電池の温度が低く、保護のため充電速度を落としているため
(こちらは、まだ確認出来ず)
との結果となりました。
少なくとも今回の例から、
冬に据置蓄電池も朝までに満充電したい場合には、
EVの深夜電力でのSOC下限15%→上限満充電は厳しく、
25%→満充電の辺りが、ギリギリ間に合うラインようです。
外気温が上昇し、
夜間の暖房やエコキュートの消費電力が減ってくる春以降に
EV充電速度に変化が見られるかをフォローしていきます。
では、今日はここまで!