我が家の新旧EV比較、
最終回となる8回目は「V2H」です。
この「V2Hの呪い」wがある限り、
我が家は今後もEVを乗り継ぎ続けることになるんだと思いますw
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1.V2Hとの接続
我が家の2023年型三菱ekクロスEVと
2022年型ニチコントライブリッドT3との接続は全く問題がありませんでした。
ekの急速充電ポートを接続させ、コネクタロックを行えば、
ほどなくT3のリモコン上にEVアイコンが表示され、
以後、ekへの系統電力や太陽光余剰電力による充電、
ekから自宅への放電が出来るようになります。
今回の車の交換に際して、
特にT3側での設定変更等の必要はありませんでした。
ekでこの6月に経験したT3上のエラーはリーフと内容も頻度も全く同じで、
(1)T3とekの接続エラー(稀に) → ユーザーの操作ミスが原因
コネクタをしっかり奥まで刺さないで、
コネクタロックボタンを押してしまうと、
「接続エラー」が発生。
リモコンのエラーを確認してから、
コネクタを「カチン」と音がするまでしっかり差し込んで
再度、コネクタロックを押せば、正常に回復します。
(2)システムがトリップ(稀に) → 急激な電力消費上昇によるEVへの過負荷が原因
EVからの供給電力を自宅の家電等で使っている際に、
朝晩の家事戦争wの時間帯などで、急激な電力消費負荷が重なると、
EVがシステム故障と判断して、T3毎システムをトリップさせます。
T3がトリップしても特に停電などは発生せず、
系統からの買電による電力が自宅に供給されます。
T3のリモコンでエラーを確認し、
システムを再起動させると、
ほどなく正常にEVからの給電による運転へと回復します。
の2つのエラーとなります。
ともにリーフでも発生していたエラーであり、
ekが特に悪いと言うわけではありません。
リーフからekに乗り換えたことで、
特にV2Hとしてはこの1カ月間で大きな問題は発生していません。
EVの電池容量が半分(40kWh → 20kWh)になったため、
「余剰太陽光電力が溢れてしまうかもしれない?」との心配については、
1年で5月~6月に1日か2日程度、
そんな快晴お化けの日(写真1)があるだけで、
殆どの日では、ekの20kWhの電池でも容量不足になることはありません。
2.HEMSとの接続
我が家で使用しているスマホ利用型HEMSである
Nature社のRemo Eでの、接続・操作・モニタも全く問題ありませんでした。
こちらも車の交換に際して、
特にアプリ側での設定変更等の必要はありませんでした。
ただ、これはHEMS側の問題ではないのですが、
HEMS上の表示では、
SOC100%時の電池容量が18.5 kWhと表示されます(写真2)。
新車を購入してひと月も経たないうちに、
SOHがもう7%も劣化してしまったのか?
と不安にさせますが、
恐らくは、後述のSOC表示のヒステリシスが原因と考えています。
また、リーフ同様、ekでも、
スマホHEMSから遠隔でEVコネクタのロック・解除は出来ませんでした。
トライブリッドではない一般的なニチコン製EVPSのコネクタロックは
Remo Eでも遠隔操作出来るとのことで、
ネットの噂では、
トライブリッドは蓄電池を2系統有している
ECHONET Liteの規格でもまだ想定していない機器のため、
そのコネクタロックの遠隔操作が、
ECHONET Lite規格準拠のHEMS機器では不可能
とのことです。
規格に想定されていない機器となると、
今後のT3側のアップデートでも解決はしなさそうです。
なお、我が家では、代替のコネクタロックの遠隔操作方法として、
V2Hの操作部に親指ロボットを設置しています。
我が家は青空駐車場ですが、
親指ロボットには、まだ防水対応の屋外仕様ものが見当たらないため、
設置工事時にV2H機器のみ屋根のあるところに置いて、
大正解でしたv
3.LeafSpy
念のため、LeafSpyProによりSOH劣化を調べてみました。
写真3にLeafSpyProのメイン画面を示します。
この通り SOH = 98.81 % であり、
ekの電池について、まだ殆どSOHの劣化は見られません。
ついでとして、
写真3に示したLeafSpyProのメイングラフの各項目が
ekに対応しているのかを次の表1に纏めてみました。
項目 | 数値 | 説明 | ek対応状況 |
kWh | 24 | 電池容量 | × 20kWhが正 |
Ahr | 57.03 | 電流時間 | ○ |
SOH | 98.81 % | 電池健全性 | ○ |
V | 344.94 V | 電池電圧 | ○ Ahr×V = 19.7kWh |
B5AW | ***** | シリアル番号 | ○ B5AWはekの型式番号 |
Hx | 104.52 % | バッテリー内部抵抗 | ? |
積算走行距離 | 1,516 km | 走行距離 | ○ |
QCs | 123 回 | 急速充電回数 | ○(V2H充電を含む) |
L1/L2s | 5 回 | 普通充電回数 | ○ |
グラフ縦軸 | 平均 3.593 V | 各セルの電圧 | ○ 3.593×96 = 344.9 V |
グラフ横軸 | 1~96 セル | セル番号 | ○ |
(mV) | 14 | セル電圧最高最低差 | ○ = 3.600 – 3.586 |
温度 | 約31 ℃ | 電池温度(3か所) | ○ |
(℃) | 1.2 ℃ | 電池温度最高最低差 | ○ = 31.3 – 30.1 |
SOC | 30.4 % | 電池充電率 | × 約20%が正 |
電池の総容量がアプリが想定している日産リーフ(24,30,40,60 kWh)と異なるため、
ek(20kWh)では、SOCの%表示が上手く計算できていません。
ですが、それ以外の項目は正常に表示されているようです。
今後、経年、走行距離、急速充電回数とSOH劣化の関係を
紹介する際に使用していこうと思います。
4.SOC表示のヒステリシス
リーフでも経験しましたが、
T3のリモコンやHEMSのアプリに表示されるekのSOCに
±10%程度のヒステリシスがあります。
ちょっと、リーフよりも誤差が大き目と感じています。
図1に例を示します。
・ekを充電後にSOC100%になって充電が止まる。
・ekから自宅へ電気を放電してもekのSOCは100%表示のまま変化しない。
・その後しばらくすると、急にekのSOCが正常な値にジャンプする。
などです。充電時にも急にekのSOCが10%程ジャンプして増えることもあります。
SOCは、ek側からT3やHEMSに伝えられている数字を用いているため、
どうもek側のSOCの計算で誤差が大きくなる方法を使っているようです。
そもそも、SOCを正確に計測する方法は無く、
端子間電圧との相関による方法、充電や放電された電力を積算する方法など、
電池の温度による特性変化や計測誤差等で、
誤差が大きく積み上がり、このようなヒステリシスを生じることになります。
リーフは電池容量が多かったので、
SOC換算で±5%程度と比較的誤差が少なめに見えましたが、
容量が半分のekの電池では、
SOC換算で倍の±10%程度の誤差になってしまうようです。
ユーザーは、その程度のSOC誤差があると理解して、
EVやV2Hを使って行かねばなりません。
5.充放電効率
最後に、ek+トライブリッドT3での
この6月における充放電効率を紹介します。
リーフでは、
条件の良い時(消費電力が多い時)で、約70%、
条件が悪く(チョロチョロと少なく長く消費する)ても、概ね55%
の充放電効率が得られていました。
ekについては、充放電効率を算出出来る機会がまだ少なかったのですが、
今のところ、
61~63%
の充放電効率が得られています。
リーフよりも充放電効率がやや低くなっているのが、
ekの特性のためなのか、
計測点数がまだ少ないためなのか、
はわかりませんが、極端に低い効率にはならなそうです。
今後も継続的に充放電効率を算出して、ここで紹介していきたいと思います。
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以上、8回にわたって、
三菱ekクロスEVの初期感想を
前車の日産リーフとの比較を交えて紹介して来ました。
総括すると、
・省燃費に対する回生ブレーキの考え方が大きく変更
・車格に左右される乗り心地・静かさは「リーフ」
・電費・ランニングコストは軽さの「ek」
・ナビもユーザー要望をしっかりFBした「ek」
・ネットサービスは「日産の圧勝」
・経路充電料金は「三菱の圧勝」
・「ek」はバッテリークーラー装着がリーフからの大きな改善点
となりました。
今後、ekを長期的に乗ってみての感想は、
またここで紹介させていただきます。
では、今日はここまで!