ekクロスEV 初期感想(その8、V2H) 2024年6月

我が家の新旧EV比較、
最終回となる8回目は「V2H」です。

この「V2Hの呪い」wがある限り、
我が家は今後もEVを乗り継ぎ続けることになるんだと思いますw

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1.V2Hとの接続
我が家の2023年型三菱ekクロスEVと
2022年型ニチコントライブリッドT3との接続は全く問題がありませんでした。

ekの急速充電ポートを接続させ、コネクタロックを行えば、
ほどなくT3のリモコン上にEVアイコンが表示され、
以後、ekへの系統電力や太陽光余剰電力による充電、
ekから自宅への放電が出来るようになります。

今回の車の交換に際して、
特にT3側での設定変更等の必要はありませんでした。

ekでこの6月に経験したT3上のエラーはリーフと内容も頻度も全く同じで、

(1)T3とekの接続エラー(稀に) → ユーザーの操作ミスが原因
  コネクタをしっかり奥まで刺さないで、
  コネクタロックボタンを押してしまうと、
  「接続エラー」が発生。

  リモコンのエラーを確認してから、
  コネクタを「カチン」と音がするまでしっかり差し込んで
  再度、コネクタロックを押せば、正常に回復します。

(2)システムがトリップ(稀に) → 急激な電力消費上昇によるEVへの過負荷が原因
  EVからの供給電力を自宅の家電等で使っている際に、
  朝晩の家事戦争wの時間帯などで、急激な電力消費負荷が重なると、
  EVがシステム故障と判断して、T3毎システムをトリップさせます。

  T3がトリップしても特に停電などは発生せず、
  系統からの買電による電力が自宅に供給されます。

  T3のリモコンでエラーを確認し、
  システムを再起動させると、
  ほどなく正常にEVからの給電による運転へと回復します。

の2つのエラーとなります。

ともにリーフでも発生していたエラーであり、
ekが特に悪いと言うわけではありません。

リーフからekに乗り換えたことで、
特にV2Hとしてはこの1カ月間で大きな問題は発生していません。

EVの電池容量が半分(40kWh → 20kWh)になったため、
「余剰太陽光電力が溢れてしまうかもしれない?」との心配
については、
1年で5月~6月に1日か2日程度、
そんな快晴お化けの日(写真1)があるだけで、
殆どの日では、ekの20kWhの電池でも容量不足になることはありません。

写真1 今年6月の快晴時に、
据置蓄電池(6.5 kWh)とek(20 kWh)両方の電池が溢れた例

2.HEMSとの接続
我が家で使用しているスマホ利用型HEMSである
Nature社のRemo Eでの、接続・操作・モニタも全く問題ありませんでした。

こちらも車の交換に際して、
特にアプリ側での設定変更等の必要はありませんでした。

ただ、これはHEMS側の問題ではないのですが、
HEMS上の表示では、
SOC100%時の電池容量が18.5 kWhと表示されます
(写真2)。

写真2 SOC100%時の電池容量表示(HEMSでの表示)

新車を購入してひと月も経たないうちに、
SOHがもう7%も劣化してしまったのか?

と不安にさせますが、
恐らくは、後述のSOC表示のヒステリシスが原因と考えています。

また、リーフ同様、ekでも、
スマホHEMSから遠隔でEVコネクタのロック・解除は出来ませんでした。

トライブリッドではない一般的なニチコン製EVPSのコネクタロックは
Remo Eでも遠隔操作出来るとのことで、
ネットの噂では、
トライブリッドは蓄電池を2系統有している
ECHONET Liteの規格でもまだ想定していない機器のため、
そのコネクタロックの遠隔操作が、
ECHONET Lite規格準拠のHEMS機器では不可能

とのことです。

規格に想定されていない機器となると、
今後のT3側のアップデートでも解決はしなさそうです。

なお、我が家では、代替のコネクタロックの遠隔操作方法として、
V2Hの操作部に親指ロボットを設置
しています。

我が家は青空駐車場ですが、
親指ロボットには、まだ防水対応の屋外仕様ものが見当たらないため、
設置工事時にV2H機器のみ屋根のあるところに置いて、
大正解でしたv

3.LeafSpy
念のため、LeafSpyProによりSOH劣化を調べてみました。
写真3にLeafSpyProのメイン画面を示します。

写真3 LeafSpyPro(IPhone版)とekクロスEVを接続

この通り SOH = 98.81 % であり、
ekの電池について、まだ殆どSOHの劣化は見られません。

ついでとして、
写真3に示したLeafSpyProのメイングラフの各項目が
ekに対応しているのかを次の表1に纏めてみました。

項目数値説明ek対応状況
kWh24電池容量× 20kWhが正
Ahr57.03電流時間
SOH98.81 %電池健全性
V344.94 V電池電圧○ Ahr×V = 19.7kWh
B5AW*****シリアル番号○ B5AWはekの型式番号
Hx104.52 %バッテリー内部抵抗
積算走行距離1,516 km走行距離
QCs123 回急速充電回数○(V2H充電を含む)
L1/L2s5 回普通充電回数
グラフ縦軸平均 3.593 V各セルの電圧○ 3.593×96 = 344.9 V
グラフ横軸1~96 セルセル番号
(mV)14セル電圧最高最低差○ = 3.600 – 3.586
温度約31 ℃電池温度(3か所)
(℃)1.2 ℃電池温度最高最低差○ = 31.3 – 30.1
SOC30.4 %電池充電率× 約20%が正
表1 LeafSpy の ekクロスEV  への対応状況

電池の総容量がアプリが想定している日産リーフ(24,30,40,60 kWh)と異なるため、
ek(20kWh)では、SOCの%表示が上手く計算できていません。
ですが、それ以外の項目は正常に表示されているようです。

今後、経年、走行距離、急速充電回数とSOH劣化の関係を
紹介する際に使用していこうと思います。

4.SOC表示のヒステリシス
リーフでも経験しましたが、
T3のリモコンやHEMSのアプリに表示されるekのSOCに
±10%程度のヒステリシスがあります。
ちょっと、リーフよりも誤差が大き目と感じています。

図1に例を示します。
 ・ekを充電後にSOC100%になって充電が止まる。
 ・ekから自宅へ電気を放電してもekのSOCは100%表示のまま変化しない。
 ・その後しばらくすると、急にekのSOCが正常な値にジャンプする。
などです。充電時にも急にekのSOCが10%程ジャンプして増えることもあります。

図1 ekとT3でのSOCヒステリシスの例

SOCは、ek側からT3やHEMSに伝えられている数字を用いているため、
どうもek側のSOCの計算で誤差が大きくなる方法を使っているようです。

そもそも、SOCを正確に計測する方法は無く、
端子間電圧との相関による方法、充電や放電された電力を積算する方法など、
電池の温度による特性変化や計測誤差等で、
誤差が大きく積み上がり、このようなヒステリシスを生じることになります。

リーフは電池容量が多かったので、
SOC換算で±5%程度と比較的誤差が少なめに見えましたが、
容量が半分のekの電池では、
SOC換算で倍の±10%程度の誤差になってしまうようです。

ユーザーは、その程度のSOC誤差があると理解して、
EVやV2Hを使って行かねばなりません。

5.充放電効率
最後に、ek+トライブリッドT3での
この6月における充放電効率を紹介します。

リーフでは、
 条件の良い時(消費電力が多い時)で、約70%
 条件が悪く(チョロチョロと少なく長く消費する)ても、概ね55%
の充放電効率が得られていました。

ekについては、充放電効率を算出出来る機会がまだ少なかったのですが、
今のところ、
 61~63%
の充放電効率が得られています。

リーフよりも充放電効率がやや低くなっているのが、
ekの特性のためなのか、
計測点数がまだ少ないためなのか、
はわかりませんが、極端に低い効率にはならなそうです。

今後も継続的に充放電効率を算出して、ここで紹介していきたいと思います。

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以上、8回にわたって、
三菱ekクロスEVの初期感想を
前車の日産リーフとの比較を交えて紹介して来ました。

総括すると、
 ・省燃費に対する回生ブレーキの考え方が大きく変更
 ・車格に左右される乗り心地・静かさは「リーフ」
 ・電費・ランニングコストは軽さの「ek」
 ・ナビもユーザー要望をしっかりFBした「ek」
 ・ネットサービスは「日産の圧勝」
 ・経路充電料金は「三菱の圧勝」
 ・「ek」はバッテリークーラー装着がリーフからの大きな改善点
となりました。

今後、ekを長期的に乗ってみての感想は、
またここで紹介させていただきます。

では、今日はここまで!

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