8月電力動向 2024年8月

この8月は前半は安定した日射が続いていましたが、
下旬になると相次ぐ台風や豪雨のために、一気に日射が不安定となり、
結果、8月としては平年並みの日射量となりました。
昨年の下期は記録的に日射量の多い月が殆どだったため、
それらと比較すると今年は随分と日射量の少ない8月に感じました。

気温も月の前半は平年よりも5度程度高い日が続いたものの、
後半には台風等に刺激されて発生した雲のお陰で、
徐々に平年並みの気温へと近づきつつありました。

恒例の我が家の電力動向、
今回は2024年8月分のご紹介です。

導入時期参考)
 ・EV導入    2022年6月~
 ・V2H導入   2022年10月~
 ・電力単価改定 2023年7月~

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1.太陽光動向
まずは、太陽光です(図1~3)。

図1に、毎日正午ごろ1hrの
太陽光発電のピーク出力を示します(日々の平均気温を併記)。

図1 正午頃太陽光発電出力および日々平均気温の年間推移

前述の通り、日射量は8月としては平年並、
気温は依然として猛暑ではあるものの、
データ的には峠を越え、秋に向け徐々に下降路線を辿り始めています。
今年こそは猛暑から早めに脱して欲しいものです。

図2に各月毎の日射量と発電量を、
図3に全天日射量vs太陽光発電量を示します。
なお、図2中の一点鎖線は、
過去20年間における日射量の最高値と最低値です。

図2 太陽光発電動向(青・2023年、オレンジ・2024年)

8月の日射量は、前述の通り平年並で、
平均気温は、7月同様に平年+5℃と猛暑が続いていましたが、
台風や豪雨のお陰で日中でも適当に雲が多く、
太陽光パネルの温度上昇がうまく抑えられたお陰で、
発電量は7月よりも増えてくれましたv

図3 全天日射量vs太陽光発電量(青・2023年、オレンジ・2024年)

図3の日射量vs発電量の関係を見ても、
この8月の日射量は今年前半の気温が穏やかだった頃の回帰線にほぼ乗っており、
太陽光パネルの壁温が気温の割には低めに抑えられ、
発電効率の低下も抑えられたことが読み取れます。

2.据置蓄電池 SOH、充放電効率 動向
図4に、トライブリッドT3の据置蓄電池のSOH劣化について示します。

SOHの算出方法は、SOC 0%→100%充電時に要した電力量の合計値を用いています。

図4 据置蓄電池SOH経年劣化推移(2022年9月末~)

依然として据置蓄電池の初期実効容量(SOHで86.5%付近)を底にして、
SOHの劣化が鈍化してくれています。
お陰で、保証期間15年目(=横軸で5500日目に相当)でのSOH予測値が、
前月6月の16%程度から、この7月には20%まで改善しました。
保証範囲の50%まではまだ遠いですが、徐々に希望が湧いて来ていますw

図5は、HEMSのデータから算出した据置蓄電池の充放電効率の推移です。

こちらも引き続き 87 %前後を維持しており、性能劣化は見られません。
やはり、夏の方が充放電効率が良いように見えますね。

図5 据置蓄電池 充放電効率の推移(青・2023年、オレンジ・2024年)

3.EV動向
お次は、EVです(図6)。
6月から前車リーフに代わって、軽EVのekクロスEVでのデータとなります。

ランコス参考
 原チャ       3円/km
 最新ディーゼル車  5円/km
 最新ガソリン車   6円/km
 我が家の軽自動車  14円/km
(15年前のトルコン式トールワゴン)

図6 EV動向(この6月からはekクロスEVに乗り換え)

まず、オレンジの電費ですが、
前月7月の8.4km/kWhから8月は8.0km/kWhまで悪化しました。
引き続きカーエアコンの多用が原因と考えています。

グレーのランニングコストも
7月の3円/kmから8月は4円/kmまで悪化しました。
こちらは、電費の悪化に加えて、
8月はEVの充電に経路充電は使わず、自宅充電のみに限定したためです。
据置蓄電池の「AI自動制御」試行のため)

図7にEV充電池のSOH劣化推移を示します。

図7 EV充電池 SOH経年劣化推移(ekクロスEV、2024年6月~)

メーカー保証は、8年=2920日以内でSOH≧66%(但し走行16万km以内)ですが、
納車後3カ月のデータを外挿すると、8年目のSOHは7月の48%から8月は18%と大幅に悪化しました。

8月は電池を劣化させるような急速充電は全く行いませんでしたが、
ややSOHの悪化ペースが速くなったように見えます。
誤差の範囲かも知れませんので、引き続きSOHデータに注目していきます。

4.電力供給・消費動向
我が家の電力消費の概略内訳はこちらこちら

まず、図8に平均気温vs自宅消費電力の関係を示します。

図8 平均気温と自宅消費電力量の関係(青・2023年、オレンジ・2024年)

8月も前月7月同様、連日自宅ではエアコンのつけっ放しとなり、
昨年の夏(青点右端)や前月7月(オレンジ点右端)と全く同じ気温vs消費電力の関係となっています。

次の図9に、
家+EV全体での我が家の電力消費の動向を示します。

図9 消費電力動向

エアコン多用により8月の自宅の消費電力(青棒)は前月7月とほぼ横ばい。
昨年との比較でも、自宅の消費電力(青棒)はほぼ同等です。

一方で、EVの走行距離は
家族の「通い」が8月は夏季・お盆休みのために少なく、
前月7月と比較して大きく減りました。
結果、EVによる消費電力(オレンジ棒)は7月よりも8月の方が減っています。

次の図10に、
家+EV全体での我が家の電力供給の動向を示します。

図10 供給電力動向

電力供給量についても、前月7月と8月はほぼ同等となりました。
ただし、内訳を見てみると、
8月は前述の通りEVを経路充電ではなく自宅充電で運用したため、
7月と比べてグレー棒(経路充電)の割合が大きく減って、
その分、8月は緑棒(夜間買電)の割合が増えました。

5.電力単価動向
最後に電力単価(含・EV経路充電料金)です(図11)

図11 電力単価動向
(燃料調整・再エネ賦課・激変緩和含まず、EVの経路充電料金負担は含む)

2023年7月から電力会社の電力単価が値上げされていますので、
図11の青・棒の7月以降はその値上げ後の買電単価を用いています。

この8月は天候不順により太陽光発電量が昨年よりも伸び悩んだことと、
猛暑により家も車もエアコンを多用したために、
自宅でもEVでも消費電力が増えてしまいました。
また、EVは無料の経路充電をほとんど利用せず、自宅の夜間電力での充電で運用しました。

結果、8月の電力単価は、

 約19.4円/kWh(自宅+EV)
 先月比+2円/kWh、前年同月比+9.8円/kWh

となりました。
(燃料調整、再エネ賦課、激変緩和補助金を含まず)

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9月は残暑が厳しい上に、
台風や秋雨のために日射量や太陽光発電量が一気に減少に転じる月です。
空調の温度を真夏よりも穏やかに変更することを忘れないように注意したいです。

次回も、10月初旬頃に9月分の電力動向をご紹介させていただきます。

では、今日はここまで!

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