9月の電力動向 2024年9月

9月は秋雨前線がなかなか南下せず、
月の前半頃は記録的な日射量・太陽光発電量になるか?
と期待していたのですが、
月の後半になると、前線がしっかり南下をし始め、
それに伴って天気も不安定となり、
気温も一気に平年並みに低下した1カ月となりました。

恒例の我が家の電力動向、
今回は2024年9月分のご紹介です。

導入時期参考)
 ・EV導入    2022年6月~
 ・V2H導入   2022年10月~
 ・電力単価改定 2023年7月~

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1.太陽光動向
まずは、太陽光です(図1~3)。

図1に、毎日正午ごろ1hrの
太陽光発電のピーク出力を示します(日々の平均気温を併記)。

図1 正午頃太陽光発電出力および日々平均気温の年間推移

前述の通り、月の前半の日射量や気温は平年を大きく上回りましたが、
月の後半になると、秋雨前線の南下に伴い、雨の日が多くなるとともに、
気温も一気に平年並みに低下して来ました。

こうなると、供給側の太陽光発電量は伸びませんが、
一方で、消費側の自宅やEVの空調に取られる電力が減ってくれます。

図2に各月毎の日射量と発電量を、
図3に全天日射量vs太陽光発電量を示します。
なお、図2中の一点鎖線は、
過去20年間における日射量の最高値と最低値です。

図2 太陽光発電動向(青・2023年、オレンジ・2024年)

9月の日射量は、月の前半は過去20年の最高記録(図2中の一点鎖線)を超える勢いでしたが、
月の後半には、秋雨前線の南下で天候が不安定になり、
結果、昨年の9月と同レベル(それでも過去20年でMaxの日射量)に落ち着きました。

平均気温も後述しますが、昨年9月とほぼ同等に高く、
太陽光パネルの温度効率はやや昨年よりも悪くなり、
結果、太陽光パネルの発電量も、昨年の9月よりは減少しました。

図3 全天日射量vs太陽光発電量(青・2023年、オレンジ・2024年)

図3の日射量vs発電量の関係を見ると
この9月のプロット(図3中のオレンジ矢印の点)は、
今年前半の気温が穏やかだった頃の回帰線よりも若干右下側に来ており、
こちらでも太陽光パネルの壁温上昇により、9月の発電効率が低めだったことを示しています。

2.据置蓄電池 SOH、充放電効率 動向
図4に、トライブリッドT3の据置蓄電池のSOH劣化について示します。

SOHの算出方法は、SOC 0%→100%充電時に要した電力量の合計値を用いています。

図4 据置蓄電池SOH経年劣化推移(2022年9月末~)

依然として据置蓄電池の初期実効容量(SOHで86.5%付近)を底にして、
SOHの劣化が鈍化してくれています。
お陰で、保証期間15年目(=横軸で5500日目に相当)でのSOH予測値が、
前月8月の20%程度から、この9月には22%程度まで改善しました。
保証範囲の50%まではまだ遠いですが、徐々に希望が湧いて来ていますw

図5は、HEMSのデータから算出した据置蓄電池の充放電効率の推移です。

こちらも引き続き 87 %前後を維持しており、性能劣化は見られません。
やはり、夏の方が充放電効率が良いように見えますね。

図5 据置蓄電池 充放電効率の推移(青・2023年、オレンジ・2024年)

3.EV動向
お次は、EVです(図6)。
今年6月から前車リーフに代わって、軽EVのekクロスEVでのデータとなります。

ランコス参考
 原チャ       3円/km
 最新ディーゼル車  5円/km
 最新ガソリン車   6円/km
 我が家の軽自動車  14円/km
(15年前のトルコン式トールワゴン)

図6 EV動向(この6月からはekクロスEVに乗り換え)

まず、オレンジ折線のEV電費ですが、
前月8月の8.0km/kWhから、この9月は8.8km/kWhまで約1割改善しました。
月後半の秋雨前線南下による気温の低下で、カーエアコンの使用が抑えられたためと考えています。

グレーのランニングコストも
8月の4円/kmから、この9月は3円/kmまで改善しました。
こちらも、電費の改善によるものと考えています。

図7にEV充電池のSOH劣化推移を示します。

図7 EV充電池 SOH経年劣化推移(ekクロスEV、2024年6月~)

メーカー保証は、8年=2920日以内でSOH≧66%(但し走行16万km以内)ですが、
納車後3カ月のデータを外挿すると、8年目のSOHは8月の約18%から、
この9月は約22%まで若干改善しました。

特に何かSOH劣化防止になるような対策は講じておらず、
計測誤差の範囲かも知れません。
引き続き、EVのSOHデータにも注目していきます。

4.電力供給・消費動向
我が家の電力消費の概略内訳はこちらこちら

まず、図8に平均気温vs自宅消費電力の関係を示します。

図8 平均気温と自宅消費電力量の関係(青・2023年、オレンジ・2024年)

9月は前述の通り、後半の気温低下により、
EV同様、自宅の電力消費も真夏よりも抑えられた結果となりました。
依然として気温vs自宅の電力消費の2次回帰式(オレンジ破線)に良く乗った傾向となっています。

次の図9に、
家+EV全体での我が家の電力消費の動向を示します。

図9 消費電力動向

前月8月との比較では、気温の低下のお陰で空調に取られる電力が減り自宅消費(青棒)は短くなっています。
昨年の9月との比較では、気温がほぼ同等であり、今年9月の同青棒はほぼ同等となっています。

一方で、今年9月のEVでの消費電力(オレンジ棒)は、
昨年9月と比較して、半分以下になりました。
これは、前述の通りekの電費がリーフと比べて良いこと、
EVを長距離旅行に使わなくなって月の走行距離が短くなっているためです。

次の図10に、
家+EV全体での我が家の電力供給の動向を示します。

図10 供給電力動向

電力供給量については、太陽光発電量(青棒)が
前月8月と比較して減りましたが、
また昨年9月との比較ではほぼ同程度となっています。

EVは長距離での使用頻度が減ったために経路充電を止めて、
自宅での充電で運用を行うようにしたため、
グレー棒(経路充電)が少なくなった分、
夜間電力(緑棒)での電力供給が増えています。

5.電力単価動向
最後に電力単価(含・EV経路充電料金)です(図11)

図11 電力単価動向
(燃料調整・再エネ賦課・激変緩和含まず、EVの経路充電料金負担は含む)

2023年7月から電力会社の電力単価が値上げされていますので、
図11の青・棒の7月以降はその値上げ後の買電単価を用いています。

この9月は太陽光パネルの壁温上昇が例年よりもやや厳しく、
パネルの発電効率が前月8月や昨年の9月と比較して低めとなったことと、
EVで無料の経路充電の使用を完全に無くしたために、
トータルの電力単価はやや高めとなりました。

結果、9月の電力単価は、

 約20.4円/kWh(自宅+EV)
 先月比+1円/kWh、前年同月比+6.4円/kWh

となりました。
(燃料調整、再エネ賦課、激変緩和補助金を含まず)

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10月は秋雨がひと段落して、
束の間の日射量リバウンドや
過ごしやすい気候のため、自宅やEVでの消費電力が更に抑えられることを期待しています。

次回も、11月初旬頃に10月分の電力動向をご紹介させていただきます。

では、今日はここまで!

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