今年の10月は雨天や曇天の日がとても多く、
近年では記録的な日射量だった昨年の10月とは打って変わって
月の日射量がこの10年でも最も少ない10月となり、
太陽光発電量も昨年比で3割ダウンとなる厳しい1カ月となりました。
恒例の我が家の電力動向、
今回は2024年10月分のご紹介です。
導入時期参考)
・EV導入 2022年6月~(リーフ)、2024年6月~(ekクロスEV)
・V2H導入 2022年10月~
・電力単価改定 2023年7月~
***************************
1.太陽光動向
まずは、太陽光です(図1~3)。
図1に、毎日正午ごろ1hrの
太陽光発電のピーク出力を示します(日々の平均気温を併記)。
前述の通り、今年の10月は曇天や雨天など、
日射量が安定しない天気が続く一方で、
気温は平年並みよりもやや高い日が多く、
昨年と比較すると、日射量で3割減、気温は約2℃高くなりました。
図2に各月毎の日射量と発電量を、
図3に全天日射量vs太陽光発電量を示します。
なお、図2中の一点鎖線は、
過去20年間における日射量の最高値と最低値です。
今年10月の日射量(オレンジ折線)は、
昨年10月の日射量(青折線)と打って変わってとても少なく、
過去20年の最低記録(図2中の下側の一点鎖線)に迫る少なさとなりました。
しかも、平均気温が昨年10月と比較して今年は2℃近く高く、
太陽光パネルの温度効率が昨年よりも悪くなり、
結果、太陽光パネルの発電量も、昨年の10月と比較して-35%と大幅に減少しました。
図3の日射量vs発電量の関係を見ると
この10月のプロット(図3中のオレンジ矢印の点)は、
今年前半の気温が穏やかだった頃の回帰線(オレンジ破線)よりも右下側に来ており、
太陽光パネルの壁温上昇により、今年10月の発電効率が低かったことを示しています。
2.据置蓄電池 SOH、充放電効率 動向
図4に、トライブリッドT3の据置蓄電池のSOH劣化について示します。
SOHの算出方法は、SOC 0%→100%充電時に要した電力量の合計値を用いています。
9月までは据置蓄電池の初期実効容量(SOHで86.5%付近)を底にして、
SOHの劣化が鈍化していましたが、
この10月辺りからはSOHの劣化が徐々に再開し始める傾向が見られました。
ただ、保証期間15年目(=横軸で5500日目に相当)でのSOH予測値については、
前月9月の22%程度から、この10月には24%程度まで改善してくれています。
まだ鬼が大笑いしますが、果たして15年目に保証範囲のSOH50%を達成してくれるでしょうか?
図5は、HEMSのデータから算出した据置蓄電池の充放電効率の推移です。
こちらも引き続き 87 %前後を維持しており、性能劣化は見られません。
ただ、昨年同様、気温の低下とともに若干の効率低下傾向が見えるようになって来ました。
3.EV動向
お次は、EVです(図6)。
今年6月から前車リーフに代わって、軽EVのekクロスEVでのデータとなります。
ランコス参考
原チャ 3円/km
最新ディーゼル車 5円/km
最新ガソリン車 6円/km
我が家の軽自動車 14円/km
(15年前のトルコン式トールワゴン)
まず、オレンジ折線のEV電費ですが、
前月9月の8.8km/kWhから、この10月は9.5km/kWhまで約7%改善しました。
今年の10月は暑くもなく、寒くもない過ごしやすい1カ月となり、
カーエアコン・ヒーターの使用が抑えられたためと考えています。
グレーのランニングコストも
この10月も9月と同じく原チャ並みの3円/kmを維持しました。
9月よりも10月の方が電費は良かったのですが、
後述の通り10月は太陽光不足のために我が家の電力単価が高く、
電費の改善が相殺されてランコスの改善には現れませんでした。
図7にEV充電池のSOH劣化推移を示します。
メーカー保証は、8年=2920日以内でSOH≧66%(但し走行16万km以内)ですが、
納車後5カ月のデータを外挿すると、8年目のSOHは9月の約22%から、
この10月は約32%まで若干改善しました。
4.電力供給・消費動向
我が家の電力消費の概略内訳はこちらやこちら。
まず、図8に平均気温vs自宅消費電力の関係を示します。
10月は前述の通り、とても過ごしやすい気温(概ね20℃前後)となり、
EV同様、自宅の電力消費も夏や冬よりも抑えられた結果となりました。
依然として気温vs自宅の電力消費の2次回帰式(オレンジ破線)に良く乗った傾向となっています。
次の図9に、
家+EV全体での我が家の電力消費の動向を示します。
前月9月との比較では、過ごしやすい気温のお陰で空調に取られる電力が少なく自宅消費(青棒)は短くなっています。
昨年の10月との比較でも、今年10月の自宅消費(青棒)が少なくて済みました。
一方で、今年10月のEVでの消費電力(オレンジ棒)は、
昨年10月と比較して、半分以下になりました。
これは、ekの電費がリーフと比べて良いことと、
EVを長距離旅行に使わなくなって月の走行距離が短くなっているためです。
次の図10に、
家+EV全体での我が家の電力供給の動向を示します。
電力供給量については、太陽光発電による電力供給(青棒)が
前月9月や昨年10月と比較して大きく減っています。
EVは長距離での使用頻度が減ったために経路充電を止めて、
自宅での充電で運用を行うようにしたため、
昨年と比べてグレー棒(経路充電)が少なくなった一方で、
夜間電力(緑棒)での電力供給が増えています。
5.電力単価動向
最後に電力単価(含・EV経路充電料金)です(図11)
2023年7月から電力会社の電力単価が値上げされていますので、
図11の青・棒の7月以降はその値上げ後の買電単価を用いています。
この10月は日射量が近年になく少なかったこと、
太陽光パネルの壁温が高くパネルの発電効率が低めとなったことと、
EVで無料の経路充電の使用を完全に無くしたことなどで
トータルの電力単価はかなり高めとなりました。
結果、10月の電力単価は、
約23.9円/kWh(自宅+EV)
先月比+3.5円/kWh、前年同月比+14.2円/kWh
となりました。
(燃料調整、再エネ賦課、激変緩和補助金を含まず)
この10月は近年で最も高い電力単価となってしまいました(´;ω;`)
我が家のオール電化契約で、
時間重み平均をした場合の買電単価は
約36円/kWh
であり、流石にそこよりは安価となったものの、
天気の悪さがモロに家計に響いた1カ月となりました。
****************************************
11月はいよいよ寒さが厳しくなり始め、
暖房や給湯に電力を多くとられるようになる一方で、
天候は安定して晴天が続いてくれる季節でもあります。
この我が家の電力単価上昇のトレンドを止めてくれることを期待しています。
次回も、12月初旬頃に11月分の電力動向をご紹介させていただきます。
では、今日はここまで!