12月の電力動向 2024年12月

新年明けましておめでとうございます。
(いえ、今年は巳年ですw)

さて、
先月12月は晴天の日がとても多く、
12月としては過去60年で最も日射量の多い一ヶ月となりました。

我が家はリフォーム工事のために屋根の高さ付近まで設置していた
工事用の足場やスクリーンがこの12月の上旬でようやく撤去され、
結果、一ヶ月の太陽光発電量は例年の12月比で約2割ダウンとなりました。

恒例の我が家の電力動向、
今回は2024年12月分のご紹介です。

導入時期参考)
 ・EV導入    2022年6月~(リーフ)、2024年6月~(ekクロスEV)
 ・V2H導入   2022年10月~
 ・電力単価改定 2023年7月~
 ・断熱工事   2024年12月〜(窓、壁、床、風呂の断熱リフォームを行いました)

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1.太陽光動向
まずは、太陽光です(図1~3)。

図1に、毎日正午ごろ1hrの
太陽光発電のピーク出力を示します(日々の平均気温を併記)。

図1 正午頃太陽光発電出力および日々平均気温の年間推移

前述の通り、今年の12月は記録的に晴天が続く一ヶ月となり、
気温も(久々に)平年並みに低温の日が続きましたが、
太陽光の発電量は例年と比較して2割減となってしまいました。

これは、以前ここでも触れていた、
築30年の我が家のリフォーム工事が原因となっています。

リフォーム工事の目的は、
耐震、断熱、防音、防犯の強化と省エネとなっており、
家各部の補強、内装・クロス、間取り、サッシ、床、床下材の変更、
防虫の再施工、外壁・屋根塗装、サイディング付加、
風呂、エコキュートの交換、コンセント配置の変更、
など、かなり大掛かりな工事を行います。
結果、工事期間は10月中旬~年末までとなりました。

総額、家が建て替えられそうな費用となりましたが、
建て替えの間の引っ越す手間を考えて、
我が家ではリフォームすることを選びました。

屋根上まで色々と塗装・改築の工事を行うため、
軒先よりも高くなる工事用の足場、
安全帯用のワイヤーやスクリーンなどが設置されていました。

冬至に向かって南側を低く通る10月〜12月の太陽の光は、
その足場やスクリーンに遮られ、
足場が取れた12月初旬まで、
太陽光パネルに当たらなくなっていました。

図1の通り、12月初旬に工事の足場が撤去されると、
元通りの発電を行ってくれるようになっています。

図2に各月毎の日射量と発電量を、
図3に全天日射量vs太陽光発電量を示します。
なお、図2中の一点鎖線は、
過去20年間における日射量の最高値と最低値です。

図2 太陽光発電動向(青・2023年、オレンジ・2024年)

今年12月の日射量(オレンジ折線)は、
過去60年で最高記録(図2中の上側の一点鎖線)を上回る多さとなりました。

しかし、上述の通り、
リフォーム工事用の足場が太陽光パネルに影を落としており、
太陽光発電量は例年比で2割減となってしまいました。

図3 全天日射量vs太陽光発電量(青・2023年、オレンジ・2024年)

図3の日射量vs発電量の関係を見ても
この12月のプロット(図3中のオレンジ矢印の点)は、
初旬まで設置されていた工事足場の影の影響で、
回帰式のレベルまでは戻すことができませんでした。

我が家の地区は、
1月以降も晴天が続くとの長期予報ですので、
巻き返しを期待しています。

2.据置蓄電池 SOH、充放電効率 動向
図4に、トライブリッドT3の据置蓄電池のSOH劣化について示します。

SOHの算出方法は、SOC 0%→100%充電時に要した電力量の合計値を用いています。

図4 据置蓄電池SOH経年劣化推移(2022年9月末~)

9月までは据置蓄電池の初期実効容量(SOHで86.5%付近)を底にして、
SOHの劣化が鈍化していましたが、
先月10月辺りからはSOHの劣化が徐々に再開し始める傾向が見られました。

そのSOHの劣化傾向は、この12月も継続しています。

保証期間15年目(=横軸で5500日目に相当)でのSOH予測値については、
前月11月の24%程度から、この12月はやや下がって23%に近づいてきました。
保証範囲のSOH50%が、実効容量(6.4kWh)に対してだったとしても、
この劣化傾向が今後も継続したとすれば、
11年目の途中にはSOH50%(図4の縦軸だと43%)を割り込むこととなります。

図4に冬の期間を追記してみましたが、
どうも寒い冬は劣化が早くなり、
暖かい春から秋にかけては劣化が落ち着くような傾向が見えます。
今後も引き続き、このデータを追ってみます。

図5は、HEMSのデータから算出した据置蓄電池の充放電効率の推移です。

こちらは引き続き 87 %前後を維持しており、性能劣化は見られません。
ただ、昨年同様、寒い冬の方が充放電効率も低下する傾向が見えています。

図5 据置蓄電池 充放電効率の推移(青・2023年、オレンジ・2024年)

3.EV動向
お次は、EVです(図6)。
昨年6月から前車リーフに代わって、軽EVのekクロスEVでのデータとなります。

ランコス参考
 原チャ       3円/km
 最新ディーゼル車  5円/km
 最新ガソリン車   6円/km
 我が家の軽自動車  14円/km
(15年前のトルコン式トールワゴン)

図6 EV動向(昨年6月からはekクロスEVに乗り換え)

まず、オレンジ折線のEV電費ですが、
前月11月の8.5km/kWhから、この12月は7.4km/kWhまで悪化しました。
上述の通り、この12月はしっかり例年並みの寒さとなっており、
車のヒーターの使用頻度が増えたためと考えています。

グレーのランニングコストも
電費の悪化や、太陽光発電の低調による電力単価の悪化により、
先月11月の4円/kmから、12月は約5円/kmまで悪化しています。

図7にEV充電池のSOH劣化推移を示します。

図7 EV充電池 SOH経年劣化推移(ekクロスEV、2024年6月~)

メーカー保証は、8年=2920日以内でSOH≧66%(但し走行16万km以内)ですが、
納車後7カ月のデータを外挿すると、8年目のSOHは11月の約24%から、
この12月は約26%まで若干改善しました。
ただ、このままの劣化傾向ですと、
メーカー保証のSOH66%は4年目の途中には割り込みそうです。
果たして、その時しっかり保証対応をしてくれるのでしょうか?
こちらも、引き続き注視していきます。

4.電力供給・消費動向
我が家の電力消費の概略内訳はこちらこちら

まず、図8に平均気温vs自宅消費電力の関係を示します。

図8 平均気温と自宅消費電力量の関係(青・2023年、オレンジ・2024年)

12月は前述の通り、(久々にw)順調に真冬の寒さが訪れており、
EV同様、気温の低下とともに自宅の電力消費も増加してきています。

ただ、自宅の断熱リフォームが効果を発揮したのか?
昨年1月〜2月頃の傾向と比較して、
同一気温で換算すると、
この12月の自宅消費電力を約1割減るとの結果となりました。
我が家の地区の平均電力単価での換算で約6000円/月の節約に相当します。

月6000円は大きいようですが、
今後30年の累積で計算したとしても、
今回のリフォーム費用を取り返すことは
出来そうにありません(^^;

「終の住処」として、
もう一踏ん張りしてもらうための
踊り場での補修費と考えることにしています。

次の図9に、
家+EV全体での我が家の電力消費の動向を示します。

図9 消費電力動向

前月11月との比較では、寒さのために空調・給湯に取られる電力が多く、自宅消費(青棒)は長くなっています。
前年の12月との比較では、この12月の自宅消費(青棒)は、リフォーム工事のおかげか、かなり少なくて済みました。

一方で、この12月のEVでの消費電力(オレンジ棒)は、
前年12月と比較して、半分以下になりました。
これは、ekの電費がリーフと比べて良いことと、
EVを長距離旅行に使わなくなって月の走行距離が短くなっているためです。

次の図10に、
家+EV全体での我が家の電力供給の動向を示します。

図10 供給電力動向

電力供給量については、太陽光発電による電力供給(青棒)が
前年12月と比較して減っています。
これは、上述の通りリフォーム工事の足場の影が太陽光パネルに落ちてしまっているためです。
ただ、前月11月と比べれば、大きく戻すことができています。

EVは長距離での使用頻度が減ったために経路充電を止めて、
自宅での充電で運用を行うようにしたため、
昨年と比べてグレー棒(経路充電)が少なくなった一方で、
夜間電力(緑棒)での電力供給が増えています。

三菱自動車の充電カードも、
電力料金の値上げプレッシャーに勝てず、
今年の6月から従量単価がほぼ倍額に値上げされ、
普通充電の無料分もなくなるとのアナウンスがありました。

普通車のリーフと異なり、
軽のEVは近場でしか乗らないため、
経路充電は全く使うことがなくなっており、
この機会に充電カードは解約することとしました。

5.電力単価動向
最後に電力単価(含・EV経路充電料金)です(図11)

図11 電力単価動向
(燃料調整・再エネ賦課・激変緩和含まず、EVの経路充電料金負担は含む)

2023年7月から電力会社の電力単価が値上げされていますので、
図11の青・棒の7月以降はその値上げ後の買電単価を用いています。

この12月は
リフォーム工事の足場の影で太陽光発電が通常の2割減となってしまったことと、
EVの充電に自宅の夜間電力を多く使うようになったために、
トータルの電力単価はかなり高めとなりました。

結果、12月の電力単価は、

 約26.2円/kWh(自宅+EV)
 先月比-1.4円/kWh、前年同月比+7.2円/kWh

となりました。
(燃料調整、再エネ賦課、激変緩和補助金を含まず)

記録的な日射量の多さと、
リフォーム工事の完了による太陽光発電の回復で、
7月以降増加し続けていた我が家の電力単価は、
ようやく峠を越えることが出来ました。

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大寒を迎える1月は1年で最も寒さが厳しく、
1年で暖房や給湯に電力を最も多くとられる月となります。
一方で、リフォーム工事による各種断熱や、省エネの効果にも期待しています。

次回も、2月初旬頃に1月分の電力動向をご紹介させていただきます。

では、今日はここまで!

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