前回まで
卒FIT後の売電単価激減対応のため、
太陽光発電の余剰電力は売らずにためて使うのが良い。
でも、据置畜電池はとても高価で手が出ない。
そんな折、たまたま家族の生活環境の変化で車を1台追加することとなり、
ガソリンvs深夜電力のランコス差から中古のEV購入するつもりになりました。
しかもEVに加えてV2Hを導入すれば、
据置蓄電池と比較して大幅に安価なEVの電池が
太陽光の余剰電力貯めに使えることがわかり、
これで八方丸く収まると喜んでいましたが・・・・・
太陽光・畜電池・EVは直流、家電は交流で動く
数年前、映画「エジソンズ・ゲーム」でも話題になりましたが、
現在は、発電・送電のメリットから電力会社から買電する電気は交流、
そのままほとんどの家電も交流で動くのが当たり前です。
でも、携帯・携行するスマホなどは、
電池駆動のため直流で作動する家電・機器も増えてきました。
太陽光・蓄電池・EVは全て直流を放電・充電する機器であり、
その電力を一般的な交流家電で使うには、
直流→交流の変換が必要になります。
この変換を行っているのが、
パワコン、インバーターなどと呼ばれる機器で、
太陽光や蓄電池、V2Hなどの機器には必ず必要になってきます。
この直流→交流や交流→直流の変換を効率100%で行うのは不可能で、
また、ガレージに置かれたEVまでの配線などが長いと、
更に実質的な変換効率が悪化します。
深夜電力をEVに貯めて、
翌日、太陽光が元気になる前や
日が沈んだ後などの電力として使用する場合には、
系統交流 → 直流変換 → EV充電
→ EV放電 → 交流変換 → 利用
と、その都度、電送ロスや変換効率が介在し、
貯めたはずの電力が、
使用の際には、かなり目減りすることになります。
V2Hはどのくらいの充放電効率になるのかネットで検索してみると、
メーカーはなかなかこの数字を公開してくれていませんが、
既に利用されている方の書き込みによると、
低い例では60%程度との報告もありました。
これは、深夜電力が 15円/kWh で充電されても、
それを日中に使った場合は、
15/0.6 = 25円/kWh となってしまうことになります。
この単価は、オール電化契約での朝晩の買電単価とほぼ同一であり、
大枚はたいて蓄電池やV2H機器を購入しても、元が取れないことを意味します。
そこで、今一度、メーカーサイトの注意書きをよく読むと、
「お客さまの電力会社との契約次第では、
深夜電力→日中利用の場合に経済効果が得られないケースもあります」
と小さな文字で書かれています。
V2Hで、メリットを出すには、
元々無料の太陽光発電の余剰電力のみを貯めて、夕方・夜の電力として使うか、
より充放電効率の高い機器の登場を待つしかない、という現実に、
せっかく膨らんだEV+V2Hへの期待が、一気に萎む音がしました。
だって、太陽光発電が余剰する日中に、
EVで出かけることが多いのが普通ですし、
深夜電力の日中利用による電力単価削減にも期待していたのに
・・・・・・・・・
でも、そう落ち込んでいたところに、一筋の光がさすことになります。
次回予告
最新型のパワコン、据置蓄電池だと充放電効率が90%はいける。
EVからのV2Hでも70%は出るとの噂。
しかも、今、国や自治体からの補助金がかなり手厚い。
そこに賭けるのか?
では、今日はここまで!