どこかの温度がEVの電費に影響してそう 2022年初夏〜秋

前回まで
EVを使い始めたところ、
往路と復路の電費に差があり、
それは主に標高差の影響であることを理解しました。

でも、まだグラフのバラツキは大きく、
その他の影響因子がありそうです。

気温の影響
後からでもプロット出来る情報として、
走行時の気温があります。

リーフのサーバーから走行時の気温はダウンロード出来ませんが、
いつ、どこを走ったのかはわかりますので、
気象庁のデータベースから、その時の気温はプロットできます。

前回作成した標高差vs垂直方向電力消費量の回帰式から
気温vs電費バラツキで整理してみたのが下図1です。

図1 気温とEV電費の関係

横軸が気温、縦軸は標高モデルからのバラツキ量で、
縦軸が大きくなるほど電費が悪化してることを示しています。

赤線は二次の回帰式で
EVは気温20℃の時が最も電費が良く、
暑い日や寒い日は、電費が悪くなることを示しています。

どのメカニズムが効いてくるか?
さて、これはどのメカニズムで効いているのでしょうか?

メカニズム1
暑かったり、寒かったりすると、
ドライバーはエアコンやヒーターを入れるので、
その分、電費が悪くなる。

リーフの場合、
気温20℃でのエアコン使用による走行に対して、
気温0℃や40℃でのエアコン使用による走行では、
約1割電費が悪化します。
(電池の充電消費10%が充電消費11%になるとの意味)

気温の電費への影響オーダーも合っていそう。

メカニズム2
リチウムイオン電池の好ましい作動温度は、
人間と同じで15℃〜25℃程度と言われており、
気温が、暑かったり、寒かったりすれば、
電池が自然空冷のリーフでは
電池の温度も影響を受けることになります。

ただ、こちらのメカニズムでは、
ある程度までは温度が高いほど効率が上がる筈なので、
(電池の寿命は下がるが)
影響はありそうだが、上図のような凹カーブにはならない。

また、電池の温度は、
急速充電直後や高速、登坂など高負荷運転でも上昇するため、
ここまで、気温だけに影響を受けるような特性には整理できないだろう。

気温で標高モデルを修正した場合の消費電力との比較を
図2に示します。

図2 気温補正標高差モデルと消費電力の相関

決定係数は、 0.995 となり、
気温補正の無い標高差モデルから更に精度が上がりました。

以上から、EVの電費に影響を与えるのは、

  • 走行速度
  • エアコン・ヒーターでの温度調整幅
  • 出発点と目的地の標高差

が三大因子と言えそうです。
(エアコンって電費に効きますね)

次回予告
初夏から秋にかけての経路充電利用でのEVの感想を紹介します。

では、今日はここまで!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA