高速道路でのEV急速充電器拡充状況 2024年2月

JHは、2022年度末のリリースで、
2020年度末時点で 429口 だった高速道路上のEV充電器を
2025年度末までの5年間で、約2.7倍の 1100口 まで拡充する
とアナウンスしていました。

そして、計画3年目が終わるこの2023年度末、
全国のSA/PAで
6口などの新型充電器の設置が一気に進んでいます。
この2023年度末までには全国で666口まで拡充されるとのこと。

今日は、今年度末までに
どこが便利になるのかを確認してみます。

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「高速道路は疑似密室」(パトレイバーでしたか?)

出入りは自由ですが、有料ですし、
早く着きたいから高速に乗っているわけで、
一度乗ったら、目的地近くまでは降りたくない。

しかも、どこでも降りられるわけではなく、
降りるには、次のICを待たねばならない
あたりが「疑似密室」なのかと。

しかも、EVの場合は
概ね100~200キロ毎に充電をしなければならず、

「残りSOCと時間的・距離的に丁度良いSA/PAで、
 しかも、待たずに充電できるか?」

が高速道を走行中のEVドライバーの関心事の一つとなります。

高速道路でのEV充電スポットの間隔は、
概ね30キロ程度の箇所が多いですが、
中には長いところで、
「次の充電器まで100キロ近い」
なんてケースもあります。

従って、事前にしっかり計画を立てておかないと、
「残りSOCから、どうしてもそのSA/PAで充電するしかない状況」
に遭遇してしまうこともあります。

しかし、そんな時、考えることは皆一緒なので、
その充電器にはたくさんの充電待ちのEVがいて、
下手をすると、数時間待ちなんてことにもなり、
何のために高速道路使っているのか?
がわからなくなりますw

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従って、
そんな高速道路の性格上、
100キロ間隔程度で
4~6口程度(最低でも2口)の新型充電器を
置いて頂きたいです。

図1に、
2023年度末(2024年3月末)までに
複数口(2口以上)のEV急速充電器が設置済みとなる、
高速SA/PAを纏めてみました。

なお、この3月末までに設置予定の充電器も記入しているため、現時点(2月初旬)では、まだ設置されていない充電器も図1には含まれています。また、上りと下りの両方面のSA/PAに複数口のEV充電器が設置されている場所のみ、図に記載するとしました。上りと下りで口数が異なる場所では、少ない方の口数で記載してあります。

凡例
  2~3口
  4口
  6~7口
  8口

図1 複数口急速充電器の高速道への設置状況(2024年3月末)
    データ出展 株式会社e-Mobility Power ウェブサイト
    地図 国土地理院地図を加工して使用

まず、北海道、宮城県以北の東北、新潟方面は全滅です。
全滅と言っても、複数口の充電器が無いだけで、
いつもの1口充電器は概ね30~40キロ毎のSA/PAに設置されています。

寒さに弱いとされるEVは、寒冷地では命取りになるためなのか、
人口1万人当たりのEV普及率(ENECHANGE社、2023年調査)で見ても、
 北海道 47位
 青森県 45位
 新潟県 43位
 岩手県 42位
 宮城県 39位
ですので、
「まだ、口数は多く要らないだろう」
と、これらの地域は判断されたのでしょうか?

ただ、
 福島県  3位
 秋田県 26位
との結果もあります。
この2県はEV補助金が手厚いのかな?

さておき、図1に戻ると、
さすがに東京、大阪、名古屋の三大都市圏に繋がる経路では
複数口充電器が手厚く整備されています

同社調査によるEV普及率順位はそれぞれ、
 東京都 32位
 大阪府 44位
 愛知県  2位
まあ、普及率と言うよりは、絶対的な台数の多さ故ですね。

道路別なら、
東名、名神、中央、岡山以東の山陽、
東京から200キロ圏内の関越と常磐までは、
「100キロ間隔に複数口充電器の設置」が、
はや今年度末までに完了しそう
です。

確かに、
充電需要が多そうな経路ばかりですので、
ここから整備を優先するのも頷けます。

あと、この種のことに、いつも何気に強いのが、福岡~熊本w
同EV普及率順位は、それぞれ17位、23位・・・・・

残る、北陸、山陰、中国、紀伊半島、四国、
岡山以西の山陽、東九州、西九州、南九州は
前述の北海道、東北と同じく、
高速道路上には複数口充電器は設置されていない
ため、
当面は、高速乗る前の充電計画が怠れません。
(山陰や奥羽、羽越はそもそも高速道さえ未完・・・)

JHアナウンスの残る2024年度、2025年度で
これらの地域にも新型充電器を整備してもらえるのでしょうか?

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で、「6口もあれば安心」なんて思っていたら、
最近は、それでも並ぶことが多くなってきたそうです。
EVが新車販売の数%を占めただけでこれでは、
この先が思いやられますが、

「1回の充電で1000キロ走れる」

ような時代になれば、

「高速のガソリンスタンドは高いので、
 高速降りてから給油しよう」

に似た、

「高速の充電器は並ぶので降りてから充電しよう」

のようになるのかも知れませんね。

では、今日はここまで!

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