6月の電力動向 2024年6月

梅雨の6月の筈でしたが、
今年は下旬の夏至前後まで梅雨入りが遅れ、
近年では記録的に日射量の多い6月となりました。

また、EVはリーフからekクロスEVへ乗り換え、
電費と有料の経路充電単価が大きく改善された初めての月となりました。

恒例の我が家の電力動向、
今回は2024年6月分のご紹介です。

導入時期参考)
 ・EV導入    2022年6月~
 ・V2H導入   2022年10月~
 ・電力単価改定 2023年7月~

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1.太陽光動向
まずは、太陽光です(図1~3)。

図1に、毎日正午ごろ1hrの
太陽光発電のピーク出力を示します(日々の平均気温を併記)。

図1 正午頃太陽光発電出力および日々平均気温の年間推移

今年の6月は梅雨時にもかかわらず天気の良い日が多く、
実際、下旬の夏至に頃まで全国的な梅雨入りが遅れました。

結果、日射量が例年のこの時期よりもかなり多い日が続くとともに、
気温も順調に高くなってきており、
朝のニュースで早くも
「今日は真夏日、猛暑日」の声が聞こえることとなりました。

このままですと、
今年の夏は凄まじい猛暑と、水不足に悩まされそうです。

図2に各月毎の日射量と発電量を、
図3に全天日射量vs太陽光発電量を示します。
なお、図2中の一点鎖線は、
過去20年間における日射量の最高値と最低値です。

図2 太陽光発電動向(青・2023年、オレンジ・2024年)

結果、月間日射量は過去20年間の6月としては3位に入る多さとなり、
梅雨時にもかかわらず、前月5月とほぼ同等の量で、
太陽光発電量は気温の上昇により5月よりは若干減ったものの、
発電量的にも梅雨の谷間が殆ど見られずに真夏を迎えることとなりそうです。

図3 全天日射量vs太陽光発電量(青・2023年、オレンジ・2024年)

図3の日射量vs発電量の関係を見ると、
この6月の日射量(オレンジ右から2番目の点)は
今年前半の回帰線よりもやや右下に来るようになり、
気温の上昇分だけ太陽光パネルの発電効率が低下していることが読み取れます。

2.据置蓄電池 SOH、充放電効率 動向
図4に、トライブリッドT3の据置蓄電池のSOH劣化について示します。

SOHの算出方法は、SOC 0%→100%充電時に要した電力量の合計値を用いています。

図4 据置蓄電池SOH経年劣化推移(2022年9月末~)

依然として実効容量(SOHで86.5%付近)を底にして、
SOHの劣化が鈍化してくれています。
お陰で、保証期間15年目でのSOH予測値が、
「マイナス」wではなくなりましたv

図5は、HEMSのデータから算出した据置蓄電池の充放電効率の推移です。

こちらも引き続き 87 %前後を維持しており、性能劣化は見られません。
やはり、夏の方が充放電効率が良いように見えますね。

図5 据置蓄電池 充放電効率の推移(青・2023年、オレンジ・2024年)

3.EV動向
お次は、EVです(図6)。
6月から前車リーフに代わって、軽EVのekクロスEVでのデータとなります。

ランコス参考
 原チャ       3円/km
 最新ディーゼル車  5円/km
 最新ガソリン車   6円/km
 我が家の軽自動車  14円/km
(15年前のトルコン式トールワゴン)

図6 EV動向(この6月からはekクロスEVに乗り換え)

まず、オレンジの電費ですが、
概ね7km/kWhだったリーフと比較して、
車体も電池も軽量なekは電費が約3割改善されており、
暑かったこの6月でも、9.4km/kWhも走ってくれました。

青の月間走行距離も、
元通りEVが家族の「通い」用途に充当されたため、
月間2000kmレベルに復活です。

電費が安くなったにも関わらず、
グレーのランニングコストがリーフよりも高くなっているのは、
家族が「通い」の経路で寄ってくれていた無料充電が混んでいる時は、
1回165円で充電できる三菱D(こっちは全く混んでないそうですw)
に寄るようになったためです。

EVの経路充電に、三菱Dでの有料充電も活用するようになっても、
EVのランコスは2円/km程度と
原チャより安価なランニングコストを維持しています。

図7にEV充電池のSOH劣化推移を示します。

図7 EV充電池 SOH経年劣化推移(ekクロスEV、2024年6月~

まだ1カ月分のデータしか取得していませんので、
保証期限の8年目のSOHを外挿で予測しても、まだ全くあてにはなりませんが、
このまま1年、2年とデータを取得していけば、
8年目になる前に大勢は判明してくるのかと。
(メーカー保証は、8年=2920日以内でSOH≧66%、但し走行16万km以内)

4.電力供給・消費動向
我が家の電力消費の概略内訳はこちらこちら

まず、図8に平均気温vs自宅消費電力の関係を示します。

図8 平均気温と自宅消費電力量の関係(青・2023年、オレンジ・2024年)

6月は気温が更に上昇し、
我が家でもエアコンの使用が増えて来たため、
月次の自宅での電力消費量もいよいよ上昇に転じ始めました。
ただ、エコキュートは気温が高い方が給湯に必要な消費電力は抑えられるため、
同じΔ10℃でも、気温10℃の時よりは、気温30℃の時の方が自宅の消費電力は少なくなる見込みです。

次の図9に、
家+EV全体での我が家の電力消費の動向を示します。

図9 消費電力動向

上述の通り、
EVの走行距離が元通りに増えたため、
EV+自宅での総消費電力は前月5月よりも増加したものの、
リーフよりもekの電費が良く、
昨年と比較するとオレンジのEV消費電力は少なくて済んでいます。

気温はまだ真夏に比べると穏やかであり、
自宅分の消費電力はまだ前月と比較して増えておらず、
エコキュートの日中運転やその他省エネ活動の定着により、
昨年と比較すると自宅分の消費電力も大きく減らすことが出来ましたv

次の図10に、
家+EV全体での我が家の電力供給の動向を示します。

図10 供給電力動向

EV走行距離の増加に伴って、経路での充電量(グレー)が5月と比べて増加する一方で、
昨年6月のリーフへの経路充電量よりはかなり少なく済んでおり、
また、今年の6月は梅雨時にもかかわらず太陽光発電(青)が頑張ってくれたおかげで、
系統からの買電(緑や黄色)を少なく抑えることが出来ましたv

5.電力単価動向
最後に電力単価(含・EV経路充電料金)です(図11)

図11 電力単価動向
(燃料調整・再エネ賦課・激変緩和含まず、EVの経路充電料金負担は含む)

2023年7月から電力会社の電力単価が値上げされていますので、
図11の青・棒の7月以降はその値上げ後の買電単価を用いています。

この6月は梅雨時にもかかわらず潤沢な太陽光と
エコキュートの日中運転などの省エネ活動の励行、
新EVの電費が前車と比較して3割も良かったことなどにより
系統からの買電を増加させずに済んだため、
例年、電力単価が上昇に転じる6月にもかかわらず、
電力単価を前月5月とほぼ同等に維持することが出来ました。

結果、6月の電力単価は、

 約11.7円/kWh(自宅+EV)
 先月比+0.2円/kWh、前年同月比+4.6円/kWh

となりました。
(燃料調整、再エネ賦課、激変緩和補助金を含まず)

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7月は気温の上昇により空調に取られる電力が増加するとともに、
太陽光パネルの発電効率が低下するため、
例年、6月よりも電力単価が悪化する月です。

また、この梅雨がどこまで続くかでも、
電力動向がかなり変わってきますが、省エネ活動と新EVで、
どこまでその電力単価の悪化を押さえられるかが、
楽しみなところであります。

次回も、8月初旬頃に7月分の電力動向をご紹介させていただきます。

では、今日はここまで!

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