11月の電力動向 2024年11月

今年の11月は近年の11月と同様に日射量の多い1カ月となりましたが、
自宅のリフォーム工事のために屋根の高さ付近まで設置した
工事用の足場やスクリーンにより太陽光の一部が遮られてしまい、
太陽光発電量は例年の11月比で4~5割の大幅ダウンとなる厳しい1カ月となりました。

恒例の我が家の電力動向、
今回は2024年11月分のご紹介です。

導入時期参考)
 ・EV導入    2022年6月~(リーフ)、2024年6月~(ekクロスEV)
 ・V2H導入   2022年10月~
 ・電力単価改定 2023年7月~

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1.太陽光動向
まずは、太陽光です(図1~3)。

図1に、毎日正午ごろ1hrの
太陽光発電のピーク出力を示します(日々の平均気温を併記)。

図1 正午頃太陽光発電出力および日々平均気温の年間推移

前述の通り、今年の11月は例年通りに晴天が続く1カ月となり、
気温も平年並みに低い日が続きましたが、
太陽光の発電量は例年と比較して4~5割の大幅減となってしまいました。

これは、以前ここでも触れていた、
築30年の我が家のリフォーム工事が原因となっています。

リフォーム工事の目的は、
耐震、断熱、防音、防犯の強化と省エネとなっており、
家各部の補強、内装・クロス、間取り、サッシ、床、床下材の変更、
防虫の再施工、外壁・屋根塗装、サイディング付加、
風呂、エコキュートの交換、コンセント配置の変更、
など、かなり大掛かりな工事を行います。
結果、工事期間は10月中旬~年末までとなりました。

総額、家が建て替えられそうな費用となりましたが、
建て替えの間の引っ越す手間を考えて、
我が家ではリフォームすることを選びました。

屋根上まで色々と塗装・改築の工事を行うため、
軒先よりも高くなる工事用の足場、
安全帯用のワイヤーやスクリーンなどが設置されています。

先月10月下旬のデータにも若干その傾向が表れていたのですが、
冬至に向かって南側を低く通る11月の太陽の光は、
その足場やスクリーンに遮られ、
足場が取れる12月中旬までは、
太陽光パネルに当たらなくなってしまっています。

図2に各月毎の日射量と発電量を、
図3に全天日射量vs太陽光発電量を示します。
なお、図2中の一点鎖線は、
過去20年間における日射量の最高値と最低値です。

図2 太陽光発電動向(青・2023年、オレンジ・2024年)

今年11月の日射量(オレンジ折線)は、
先月10月や昨年11月のそれとほぼ同等、
最高記録(図2中の上側の一点鎖線)に迫る多さとなりました。

しかし、上述の通り、
リフォーム工事用の足場が太陽光パネルに影を落としており、
太陽光発電量は先月比で38%減、昨年比で45%減となってしまいました。

図3 全天日射量vs太陽光発電量(青・2023年、オレンジ・2024年)

図3の日射量vs発電量の関係を見ても
この11月のプロット(図3中のオレンジ矢印の点)は、
図3の全てのプロットから仲間外れとなっています。

しかも、こうやって整理してみると、
先月10月のプロット(11月プロットの真上のオレンジ●)も、
この足場の影の影響を受けていたことがわかります。
先月は、温度効率が低かったためと書きましたが、足場の影響もあったようです。

2.据置蓄電池 SOH、充放電効率 動向
図4に、トライブリッドT3の据置蓄電池のSOH劣化について示します。

SOHの算出方法は、SOC 0%→100%充電時に要した電力量の合計値を用いています。

図4 据置蓄電池SOH経年劣化推移(2022年9月末~)

9月までは据置蓄電池の初期実効容量(SOHで86.5%付近)を底にして、
SOHの劣化が鈍化していましたが、
先月10月辺りからはSOHの劣化が徐々に再開し始める傾向が見られました。

そのSOHの劣化傾向は、この11月も継続しています。

保証期間15年目(=横軸で5500日目に相当)でのSOH予測値については、
前月10月の24%程度から、この11月も24%程度のままとなっています。
保証範囲のSOH50%が、実効容量(6.4kWh)に対してだったとしても、
この劣化傾向が今後も継続したとすれば、
12年目の途中にはSOH50%(図4の縦軸だと43%)を割り込むこととなります。

どうも寒い冬は劣化が早くなり、
暖かい春から秋にかけては劣化が落ち着くような傾向が見えますが、
来年の春以降にその視点でもデータを追ってみます。

図5は、HEMSのデータから算出した据置蓄電池の充放電効率の推移です。

こちらは引き続き 87 %前後を維持しており、性能劣化は見られません。
ただ、昨年同様、気温の低下とともに若干の効率低下傾向が見えるようになって来ました。

図5 据置蓄電池 充放電効率の推移(青・2023年、オレンジ・2024年)

3.EV動向
お次は、EVです(図6)。
今年6月から前車リーフに代わって、軽EVのekクロスEVでのデータとなります。

ランコス参考
 原チャ       3円/km
 最新ディーゼル車  5円/km
 最新ガソリン車   6円/km
 我が家の軽自動車  14円/km
(15年前のトルコン式トールワゴン)

図6 EV動向(この6月からはekクロスEVに乗り換え)

まず、オレンジ折線のEV電費ですが、
前月10月の9.5km/kWhから、この11月は8.5km/kWhまで悪化しました。
上述の通り、この11月はしっかり寒さが厳しくなって来ており、
車のヒーターの使用頻度が増えたためと考えています。

グレーのランニングコストも
電費の悪化や、太陽光発電の低調による電力単価の悪化により、
先月10月の3円/kmから、11月は約4円/kmまで悪化しています。
まだ、最新の低燃費ディーゼル車にはギリ勝ててそうw?

図7にEV充電池のSOH劣化推移を示します。

図7 EV充電池 SOH経年劣化推移(ekクロスEV、2024年6月~)

メーカー保証は、8年=2920日以内でSOH≧66%(但し走行16万km以内)ですが、
納車後6カ月のデータを外挿すると、8年目のSOHは10月の約32%から、
この11月は約24%まで悪化しました。
こちらのSOH劣化にも気温の影響があるのでしょうか?
引き続き注視していきます。

4.電力供給・消費動向
我が家の電力消費の概略内訳はこちらこちら

まず、図8に平均気温vs自宅消費電力の関係を示します。

図8 平均気温と自宅消費電力量の関係(青・2023年、オレンジ・2024年)

11月は前述の通り、順調に気温が寒くなっており、
EV同様、自宅の電力消費やや増加する傾向が見えてきました。
依然として気温vs自宅の電力消費の2次回帰式(オレンジ破線)に良く乗った傾向となっています。

次の図9に、
家+EV全体での我が家の電力消費の動向を示します。

図9 消費電力動向

前月10月との比較では、寒さのために空調に取られる電力が多く、自宅消費(青棒)は長くなっています。
昨年の11月との比較では、今年11月の自宅消費(青棒)が少なくて済みました。

一方で、今年11月のEVでの消費電力(オレンジ棒)は、
昨年11月と比較して、半分以下になりました。
これは、ekの電費がリーフと比べて良いことと、
EVを長距離旅行に使わなくなって月の走行距離が短くなっているためです。

次の図10に、
家+EV全体での我が家の電力供給の動向を示します。

図10 供給電力動向

電力供給量については、太陽光発電による電力供給(青棒)が
前月10月や昨年11月と比較して大きく減っています。
これは、上述の通りリフォーム工事の足場の影が太陽光パネルに落ちてしまっているためです。

EVは長距離での使用頻度が減ったために経路充電を止めて、
自宅での充電で運用を行うようにしたため、
昨年と比べてグレー棒(経路充電)が少なくなった一方で、
夜間電力(緑棒)での電力供給が増えています。

5.電力単価動向
最後に電力単価(含・EV経路充電料金)です(図11)

図11 電力単価動向
(燃料調整・再エネ賦課・激変緩和含まず、EVの経路充電料金負担は含む)

2023年7月から電力会社の電力単価が値上げされていますので、
図11の青・棒の7月以降はその値上げ後の買電単価を用いています。

この11月は
リフォーム工事の足場の影で太陽光発電が通常の5割減となってしまったことと、
EVの充電に自宅の夜間電力を多く使うようになったために、
トータルの電力単価はかなり高めとなりました。

結果、11月の電力単価は、

 約27.6円/kWh(自宅+EV)
 先月比+3.7円/kWh、前年同月比+13.3円/kWh

となりました。
(燃料調整、再エネ賦課、激変緩和補助金を含まず)

この11月も先月の記録を更新し、
近年で最も高い電力単価となってしまいました(´;ω;`)

我が家のオール電化契約で、
時間重み平均をした場合の買電単価は
 約36円/kWh
であり、流石にそこよりは安価となったものの、
引き続き、太陽光発電の低調が家計に響いた1カ月となりました。

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12月、1月は1年で最も寒さが厳しく、
暖房や給湯に電力を多くとられる季節となります。
一方で、リフォーム工事による各種断熱や、省エネの効果にも期待しています。

次回も、来年1月初旬頃に12月分の電力動向をご紹介させていただきます。

では、今日はここまで!

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